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□無理な物は無理
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「ねーぇ、クオ兄ってばー!」


「あぁもう!だから無理な物は無理なんだっつーの!」


「俺がこんなにお願いしてるのに!!」



珍しく俺がレンのお願いを断ってぎゃあぎゃあと云いあうのにも訳がある。



俺に!



ネギを!!



食えって云うんだぞ…!!?



…そんな事とか思った奴ふざけんなよ。ネギは凶器だ。色んな意味で。



「いーじゃん別に、せっかく作ったんだからさ」

「急に変な趣味に目覚めんなよ…」



どうやらレンは、何故だか最近料理に凝っているらしい。



腕前はそんなに悪くなくて、今まで作ってくれた物は全部美味しく頂いた。



…けどそれとこれじゃあ話が別だ!



きっとレンは俺がネギを受け付けないと云う事を知らないのだろう。



そう云えば伝える機会…と云うより意味が無かったから。



きっとそうだ、と相手を責めるのをやめ改めて向き直る。



「あのねレン、俺はネギが嫌いなの。無理なの」


「何云ってんだよんな事知ってるっつの」



はいびっくり



どうして知ってるんだ。いやそれより知ってるならどうしてわざわざネギ料理を押し付けてくる…!?



訳の分からないと云った顔で暫く相手を見つめていると、レンがすぅと目線を逸らした。



「……クオ兄喉の調子悪そうだったから」



ネギ喉に良いみたいだし、とレンはぼそぼそと呟く。



確かに最近ちょっと歌う時辛かったりしたけど。



色々な事をよくよく考えてみればレンが料理に凝り始めたのも俺が調子を悪くしてからだ。



え…何?



全部、俺の為、だったり?





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