りくえすと

□愛?を込めて花束を
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人間は魔族と違って誕生日がある。



今日は、ベルマの誕生日。

アーダルベルトは朝から腕を振るって料理をたくさん作っている。
ハリス&マーカーは、パーティーの準備中。派手にするらしい…
他の者も、ベルマを連れ出す係や作戦を考える係など、盛り上げようと準備していた。

が、約1名準備もせずに椅子に座って悩んでる者がいた。
アーダルベルトがキッチンで料理を作りながら、チラチラと様子を伺っている。そして、耐え切れなくなったのか、エプロン姿でリビングにやってきた。



「おい、キーナン。まだ決まらないのか?」


キーナンはアーダルベルトの方を見ようとせず、別の方向を見て溜め息をついた。
悩んでる理由は、ベルマへのプレゼント。アーダルベルトを初め、準備している者達は皆プレゼントが決まっていた。しかし、キーナンはなかなか決められないでいたのだ。



「今まで考えた中でプレゼント出来そうな物を言ってみろ」

「……骨飛族の肋骨」

「いらねーよ。他は何を考えたんだ?」

「……干しヤモリの尻尾」

「女にそんな物贈る気だったのか…。女心のわからん奴だ。身近にいる女を思い返せば色々あるだろう?」


考えるのも怠そうなキーナンに、経験上のアドバイスをした。
ジュリアと婚約する前は、何人かの女と関係を持った事のあるアーダルベルトにとって、女性へのプレゼントは朝飯前らしい。


「……薬草」

「ギーゼラか。他は?」

「………無理です」

「弱音を吐くな、大丈夫だ。一生懸命考えたプレゼントならベルマも喜んでくれる」

「…カラスブタの尻尾」

「確かに高級だが……いらねーな」



フリル付きのエプロンを着たまま、親身になって相談に乗ってくれるアーダルベルト。エプロンさえなければ良かったのに…
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