マ@

□2人の出会い
1ページ/3ページ

あれはもう100年以上前の事。当時アーダルベルトは50歳くらいだった頃だ。
その日、アーダルベルト少年(?)は剣の稽古が終わった後、一人川原で寝そべっていた。


「いい天気だなぁ…」


春の陽気でポカポカしていたので、つい居眠りをしてしまった。
気が付いた時には陽が暮れてきていた。


「マズイ、早く帰らないと……」


起き上がろうとして頭をおもいっきりあげた。


ゴンッ


「いてっ」

「いたぁ」


知らない子供と頭をぶつけた。いつからいたのかは分からないが、ぶつけた頭を押さえつつ、アーダルベルトを見ている。


「……老け顔ッ」

「はあ?!」


アーダルベルトを指差して老け顔老け顔言っている子供は、彼の拳で黙らせられた。


「いたぃ〜!」

「いきなり老け顔言うからだ!あ、陽暮れちまった…」


太陽は完全に沈み、月が夜を知らせている。去ろうとしたアーダルベルトに子供が引っ付いてきた。


「な、なんだよ…」

「まっくろオオカミいるの」

「真っ黒オオカミー?それがどうかしたのか」

「こわい…おうち、かえれない」


アーダルベルトは溜め息をついて、仕方なく子供を家まで送っていく事にした。もちろん条件付きで。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ