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□2人の出会い
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あれはもう100年以上前の事。当時アーダルベルトは50歳くらいだった頃だ。
その日、アーダルベルト少年(?)は剣の稽古が終わった後、一人川原で寝そべっていた。
「いい天気だなぁ…」
春の陽気でポカポカしていたので、つい居眠りをしてしまった。
気が付いた時には陽が暮れてきていた。
「マズイ、早く帰らないと……」
起き上がろうとして頭をおもいっきりあげた。
ゴンッ
「いてっ」
「いたぁ」
知らない子供と頭をぶつけた。いつからいたのかは分からないが、ぶつけた頭を押さえつつ、アーダルベルトを見ている。
「……老け顔ッ」
「はあ?!」
アーダルベルトを指差して老け顔老け顔言っている子供は、彼の拳で黙らせられた。
「いたぃ〜!」
「いきなり老け顔言うからだ!あ、陽暮れちまった…」
太陽は完全に沈み、月が夜を知らせている。去ろうとしたアーダルベルトに子供が引っ付いてきた。
「な、なんだよ…」
「まっくろオオカミいるの」
「真っ黒オオカミー?それがどうかしたのか」
「こわい…おうち、かえれない」
アーダルベルトは溜め息をついて、仕方なく子供を家まで送っていく事にした。もちろん条件付きで。