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□忠誠証明
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アーダルベルトには最近気になって仕方がない事がある。それは部下であるキーナンの事だ。
長年の部下であり仲間でもあるのだが、長年の主従関係により気になってしょうがない事があったのだ。
「なぁ、キーナン。俺の部下で良かったと思っているか?」
「……は?」
誰だっていきなりそんな質問をすれば驚く。
だが、アーダルベルトの目は真剣だ。
「はぁ、良かったと思いますよ」
「本当にそう思ってるのか!?心の底から!」
「思ってます。」
ウザがられそうだが、アーダルベルトは心配しているのだ。
もし、思ってなかったとしてギュンターの配下に戻るのではないかと。いや、もしかしたら三男のところか長男のところか。
「私は貴方の部下になった時からずっと貴方に忠誠を誓ってますよ」
「本当にか?」
「はい」
「……変な事を聞いてすまなかった…最近、お前がコンラッドの配下になってしまう夢を見てな」
アーダルベルトは申し訳なさそうな顔をしつつ、最近自分が見た夢を話した。
「それで本当に忠誠を誓ってくれてるのか心配になったんだ。」
「大丈夫ですよ、アーダルベルト様」
「?」
「私がウェラー卿の配下になる事はありえません。腕の件でぎくしゃくしてますからね」
「そうか。ならよかった」
「それにあの方は苦手です」
初めて知った事実にちょっと驚いたアーダルベルトだった。
「だが、なんでコンラッドの事が苦手なんだ?今まで協力していたじゃないか」
「苦手なんです、あの意味ありげな笑顔が」
「そ、そうか…」
その後、沈黙が続いた。聞こえるのは鳥のさえずりと風の音のみ。