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□始まりは腕から
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よくグウェンダル閣下の所へ行ったり来たりしている同僚に聞いた。




『ウェラー卿が亡くなられたかもしれない』




何者かに襲撃され、腕を切り落とされたという。



まさか、襲撃したのは‘あの方’だろうか?




突然昨日届いた白鳩便は‘あの方’からだった。




『血盟城に大切に保管されている物を持って、こっちに来い』




たったそれだけの文章。

でも、従う。


‘あの方’のためなら、この命を捨ててもいい。たとえ裏切り者と言われようとも……





血盟城に保管された大切な物。同僚の兵士に聞いて、それらしき物がある部屋に来た。




部屋には机が一つ。


ろうそくが灯っている。


机の上に長細い箱のような物。


誰にも見られていない事を確認し、開けてみる。





「……?」





箱には誰かの腕が入っていた。



おそらく先程聞いたウェラー卿の腕だろう。



そしてこれが‘あの方’が欲しがっている物。




腕を見た途端、胸が少し苦しくなった気がした。



この気持ちは何だろう?今まで感じたことのないこの気持ち




ウェラー卿とは話をした事は一度もない。挨拶ぐらいはしただろうが…



とにかくこの腕を‘あの方’に届けなくてはいけない。



腕を素早く取り、持ち合わせた矢立てに入れ、早々にその場から立ち去った。






兵舎に戻るとギーゼラ様と頭が光った男がいた。




「よかったら一緒に温泉旅行にでも行きませんか?」


「温泉…?」


「いやー、ギーゼラ様が寂しいっていうからついて来いって……」


「ダカスコス!!」


「はいっ、軍曹殿!!」





毎回思うが夫婦漫才を見ているようだ。



ギーゼラが言うにはヒルドヤードからヴァンダーヴィーアに行く予定らしい。



‘あの方’のところに行くにはちょうど良かった。利用することは少し心苦しいが…



「…私も一緒に行ってもよろしいでしょうか?」


「いいですよ。では早朝に出発しましょう。」




20年振りに‘あの方’に会える。



愛しき人を亡くした‘あの方’は20年経った今どうしているのだろう。












あとがき

初小説でした。文章力無くて申し訳ない…そして、超マイナーでごめんなさいm(._.)m
マニメ設定です。基本は。

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