マB
□地球産を体験しよう
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魔王と大賢者から送られてきた、禁忌の箱より一回り大きい箱。中には地球産の物がぎっしり詰め込まれている。
可愛らしい花柄の手紙には「地球を知ろう体感しよう」としか書かれていない。
アーダルベルトが言うには筆跡はコンラートのものによく似ているとか。
警戒しながら中身を見るが、見てもわからないものばかり。
これはもう手紙通りに一つ一つ手に取って、調べて体感する必要があるようだ。
〜〜全力で弄ってみた・ア〇パ〇マンの使用済み頭編〜〜
形の変形した顔のようなもの。なぜかふやけてる部分もある。
表情からは情けなさを感じさせる
「何でしょう」
「俺もわからん」
「柔らかいですよ、ほら」
「なんかパンに似た感触だな」
「割ってみますか?」
「頼む」
丁度近くにあったオノで顔を真っ二つに切ると、中から黒くて甘い匂いのする物体が現れた。
キーナンは黒い物体をすくって食べてみる、アーダルベルトもつられて一口
「うめぇ…」
「甘い…」
饅頭の中に入っているアンコと似たような味がした。けれど、それとは決定的に違うのは、こしあんだからであろう。
アーダルベルトは台所から入れ物を持ってきて、アンコだけ詰め入れた。
残ったパンみたいな部分は豚のエサにされた。
「チキュウには面白れぇモンがあるんだな」
「さっきのアンはどうなさるおつもりで」
「研究に使う。どうやったらあんな質の良いアンコが作れるのか…自己流アンコを作ろうと考えてんだ」
「なるほど」
アーダルベルト特製アンコが本当にできるなんて、この時誰も想像すらしていなかった。