マB
□きすみーぷりーず!
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人間の国のどこかのお偉いさんが何のためだか知らないが『接吻の日』とやらを作ったらしい
その日は身近にいる友人や恋人、家族、他人に接吻しなくてはならないというもの。もし一人でも接吻できなかった場合、とんでもない事になるとか
まぁ、人間の風習なんだが…生憎、たくさんの種族が共同で生活してるのでな。そういう風習を持ってる奴らもいる…
それに、その風習が面白そうだと便乗する連中がいるから困るんだよな
……しかも今日が接吻の日だ。どうすりゃいいんだ
「アーダルベルト」
朝っぱらからベルマの投げ接吻。ちょっとキュンとしたから許す
続いてハリスとマーカーの連続投げ接吻。気色悪ぃからぶん殴ってやった、後悔はしていない。
この流れだと次はキーナンか…。
「おはようございます」
「おはよう」
「昨晩はよくお休みになられましたか?」
「ああ、よく眠れたぞ」
「それはよかったです」
あれ?接吻してこないぞ
これじゃいつもの朝の会話じゃないか!いや別にして欲しいわけじゃない、身構えとく必要があるからだ。もう一度言うぞ?して欲しいわけじゃないからなっ
まぁ、こいつの場合、俺に迷惑がかからないようにするはずだ。それか自然に間接接吻とか…
「お前の方こそ寝れたのか?さっきから欠伸ばっかしてるだろ」
「遅くまで読書をしていたもので」
「何を読んでたんだ?」
「『ゴリラでもわかる天文学』です」
「天文学?そんなのに興味あったのか」
「興味というより娯楽です。アーダルベルト様もどうですか?」
「娯楽で天文学なんか読めねぇわ…」
「大丈夫ですよ。ゴリラでもわかるんですから」
チャンスが来たぞ
きっと俺に天文学を教えるふりをして接近し、接吻するつもりだな?!
よし来い、ばっちり受け止めてやる