マA

□これでも先輩後輩
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次期跡取りだったアーダルベルトには直下の部下がキーナンの他にもう1人いた。

そのもう1人の名前はマイス。とても若い兵士であり、先輩であろうとなんだろうとため口で話す。


今日は領内の視察を親の代理で行うため、朝早く城門に集合ということになっていた。








アーダルベルト以外誰も来てない。


大人数では目立つので、自分と直下の部下とで行くはずだったのだが、いつまで待っても誰も来ない。



「なんであいつら来ないんだ」





来ないのには理由がある。



昨晩夜勤だったマイスが全く起きないのでキーナンが色んな手を使って起こそうとしているのだ。

足の裏をくすぐってみたり、耳を引っ張ったり、目を無理矢理開けさせてみたり……今の所全部失敗している。



「起きろ、マイス」

「むにゃむにゃ…あと1杯だけ〜」

「……」



酒を飲んでる夢でも見ているのだろう。マイスはかなりの酒好きで、非番の日は朝から酒を飲みに行っている。

そろそろ、定期の健康診断がある。きっとマイスは酒を止められるとみんなが思っていた。
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