マA
□YAMINABE-闇での復讐-
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肌寒い日々が続く中、アーダルベルト、キーナン、ベルマの3人は1つのテーブルを囲って談話していた。
テーブルにはアーダルベルト手作りのシフォンケーキとベルマ手作りのクッキーが置かれている。
村の面白い出来事を話していたが、だんだんと料理の話に変わっていった。
「アーダルベルトの作るものはどれも美味しいわよ」
「ベルマの手作り菓子も美味いぞ」
「この前、プディング作ってみたんだけど失敗しちゃってさー」
「プディングは蒸しすぎると大変だからな」
「カラメルとかも焦がさないようにしないといけないし、意外と難しいのよね」
「甘くみてると苦労するんだよな」
お互い手作り料理の話で盛り上がっているが、話に加われないキーナンは少し拗ね気味の様子。表情には出ないので、微妙な変化はアーダルベルトにしか分からない。
しかしそのアーダルベルトは話に夢中だ。
「(…退屈)」
紅茶を飲みながら2人を見る。
まだ終わりそうにない感じだ。
「あ、そうそう!夕飯といえば今日の担当キーナンよね?」
「…ぇ」
いきなり話を振られて驚いたのか、むせながら応えた。
「料理作れんの?」
「…作れ、る」
「ほぉー…初耳だな」
「どうせインスタントとかでしょ?そんなの料理を作るの分類に入らないわよ」
「焦がすのが目に見えてるよな」
「……」
ベルマとアーダルベルトの言い草に腹を立てたキーナンは、ぎゃふんと言わせてやろうと心に決めた。