マA
□スマイル一つ下さい!
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アーダルベルト達の朝は早い。
今は、できたての朝食をみんな揃って食べている最中。
その間ベルマが食べながら、面白い話などをして楽しくなるようにもり立てている。
そうでもしないと、この面子では沈黙の食事と化すからだ。
「私の話で声出して笑ってくれるのが嬉しいのよね」
「面白れぇから笑うんだろ?」
「ハリスもマーカーも大笑いしてくれるのにねぇ…」
ベルマの視線は、眠そうに窓の外を見ているキーナンに向けられた。
「アーダルベルト…キーナンてあんまり笑わないでしょ?」
「そうでもないぞ?いや…声出して笑う事はないが…」
「声に出して笑えばストレス発散にもなるのに………よーし!」
何か思い付いたのか、笑顔でキーナンの真正面に立ったベルマは、笑顔全開で
「笑顔1つ下さいな♪」
オイオイ、それで笑えというのか…無理だろ、とアーダルベルトやハリス、マーカーも思っている。
キーナンの方は、欠伸をしながら横目でベルマを見て
「……売り切れ」
とだけ言った。
アーダルベルト達は、やっぱりそうなったか…と、それぞれの席に着いて、お茶を飲む事にした。
一方ベルマは、無理矢理にでも笑わせようと、頭をフル回転させていた。