銀魂関連
□周りからトラブルメーカーと言われてる奴に限ってその事実を知らないよね
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「…こちらは若干甘めの香りになっておりまして。お若い女性には大変人気のある香水なんですね」
「ふーん。じゃこっちは」
「こちらは比較的さっぱりめしております。お仕事中でも決して邪魔にならない、上品なものでございます」
「上品ねェ…」
大江戸デパートの女性用香水売り場で、女性店員相手に銀時は頭を悩ませていた。
男性にはちょっと足を踏み入れにくい場所だが、銀時にはそんなことはどうでもいいらしく、いつになく真剣な表情で説明に聞き入っている。
あれでもないこれでもないと次々と棚にある様々な香水瓶を取り出させ、目の前に並べてみせる銀時。それに長いこと付き合わされている様子の店員はほとほと呆れ顔だ。
「あの、お客様。さしでがましいようですが、これらを差し上げるご予定の方はどういったタイプの女性ですか?」
「は?タイプ?なんでんなこと聞くの」
怪訝そうな顔をする銀時に、相手はあくまでも丁寧に
「ええ。先ほどから伺いますに、どうもどれにするか迷ってらっしゃるみたいですから。どういった方にプレゼントするのかをお聞きすれば、不躾ではございますがこちらから多少なりともアドバイスを差し上げられるかもと思いまして」
明らかにそれと分かる営業スマイルを浮かべられ、銀時はうーんと考え込んでいたがやがて口を開いた。
「…そーねェ。まずスタイル抜群、顔もこれ以上ねェっつーくれェ別嬪で、髪はサラサラの金髪。化粧っ気はねェがそれでも充分鑑賞に堪えうる美人でさあ。まちょーっと気のつえぇのが玉に瑕だが、そこもかわいーっちゃ可愛いんだよな。それにめっちゃ仕事熱心だし頭はいいし…」
ペラペラと己の恋人についてノロけている銀時。
「クールで色っぺぇし、一見あっち方面での百戦錬磨の達人に見えっけどその実ウブでさぁ。なんつーの、とにかくオレ好みのめっちゃいい女なワケよ」
「は、はぁ…」
「だからさぁ、あんま下手なモン贈りたくねーワケ。あいつにちゃんと似合うもんじゃねーと、なーんて考えたらどうしても迷っちゃうんだよねー」
「…それではお客さま。こちらの商品などはいかがでしょう(裏声)」
いきなり聞いたことのある裏声がして、1本の香水瓶がどん!とガラスケースの上に置かれた。
なんかヘンだな、と銀時が店員のいた方へ目を向けると
「…ってヅラァァァァ!!テメー何やってんだぁぁっ!」
「ヅラじゃない。桂だ」