君の幸せ俺の幸せ
□第六話
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「スクアーロ!何やってんの?」
部屋の窓から外を見つめるスクアーロ。
その視線の先には……。
「セシル?」
学園一の美女と謳われるセシル・フィアークがいた。
「何でセシルなんて見つめてるの?」
オレがそう聞くと、スクアーロは少し怒ったように言う。
「お前はアイツを可愛いとは思わねぇのか?」
ぷくっと頬を膨らませ、俯き加減に言う。
何だかとても女の子らしい仕草だった。
オレは別に、セシルを可愛いとは思わない。
ただ、男子の中では人気があるかなって感じだ。
「はぁ……」
スクアーロは肘をつき、手を頬に当てると、溜め息をついた。
「アイツは男にとっちゃ、理想の女だろ?」
「そんなことはないと思うよ?」
「じゃあてめぇは、オレみたいなガサツな女かセシルみてぇなお嬢様だったらどっちが好きって言えんだぁ?」
一歩身じろいだ。
今まで人を好きになったことなんて一度もない。
あるとすれば見たこともない母親くらいではないのか。
答えなんて出てくるはずなく、とっさに思い浮かんだ言葉を口に出した。
「でっでも、スクアーロは可愛いよ!」
スクアーロはポカンと口を開け、オレを変な目線で見つめる。
その後、ぷっと吹き出した。
「サンキューな、へなちょこ」
オレの髪をくしゃっと撫で、歯をむき出しにして笑う。
「本気なのに、な……」
オレはそっと、君に聞こえない声でそう呟いた。
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