GX

□きみ攻略マニュアル
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「万丈目っ!」

「さんだ!何だ、貴様か……」


カンカンと音の鳴るレッド寮の鉄の階段に腰掛け、まるで誰かの帰りを待つみたいに、佇んでいたのを見つけたのがついさっきの出来事。
万丈目サンダーはムスッと階段の手すりに頬づえをついて、ジトッとこちらを睨みつける。
それがまるで、毛を逆立てて怒る猫の様でなんだか少し可愛く見えた。


「悪いな、オレで。十代がよかったのか?」

「なっ!そんなことではない!」

「んな顔真っ赤にして怒んなくてもさ」

「貴様なんぞに関係あるか!」


夕陽も沈みかけ、寒さが増してきたこの場所に二人っきり。ツンっとそっぽを向いてしまったもうひとりに、オレは苦笑した。


「ヨハン・アンデルセン、だったか?」

「あぁ。ちゃんと名前覚えてくれてるなら、そっちで呼んでくれると嬉しいぜ」

「ふん。考えておいてやる」

「はははっ」


生憎十代の部屋に明かりは灯っていない。
万丈目の性格だから、翔と剣山にいいように言いくるめられておいてけぼりでもくらったのだろうか。

細く折れそうな身体を自ら抱きしめて、はぁーっと吐いた息で両手をこする。
マジで寒そうだ。もしかして何時間もここで待っているのだろうか。


「着るか?」

「そんな面積の狭い制服で、温かくなんぞならん。まぁ、別に着てやっても構わんが」

「はいはい」


オレは制服を脱ぐと、パサリと万丈目に被せる。
ぎゅうっと制服を握り、一瞬目を細める。

ヤバッ!今の顔は反則だ!


「十代なら、そのうち来る。貴様も待っていろ」

「じゃあ、あとでオレとデュエルしような!」

「じゃあ、の使い方が違うだろう!」

「へへっ!」


おーいと学園の方からこちらへ走ってくる影が三つ。
万丈目は、立ち上がると、すぐさま部屋へと去っていった。


「あれ?万丈目も一緒だったよな?」

「あぁ、万丈目なら……」


君攻略マニュアル


第1カ条、たまには嘘も必要です!


end


アニメで絡みがなかったのがとても残念です。


 

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