GX

□気になるんだから仕方ない
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オレは最近考えるようになった。
どうして、高校生にもなって男女混合で体育の授業があるのだろう、と。
体育はオレの好きな部類だし、別に嫌なところも無い。
けれど、女子が一緒だと、特に自分の気になっている子が一緒だったりすると、目線がそちらにいってしまうのである。


「なぁ、明日香……。万丈目ってどれくらいあんのかな?」

「何の話しさ?」

「何って、そりゃあ、胸の話しだろ?」

「……。十代、君は女子に対してのデリカシーというものを考えたことが無いだろ。第一、僕はそんなものに興味は無いっ!」


親友である明日香は、勉強はできるしスポーツも万能。そりゃあ、デュエルの腕は自分の方が勝っていると思うけれど、明日香も中々の腕前だ。
それに、カッコイイからモテルし。


「ふーん。でもさ、男の子なんだから少しくらいはそういうこと考えるだろ?」

「女性に対して失礼だと思わないのかい?」

「揺れると見ちまうモンだろ」


明日香はムスっと眉間にしわを寄せ、アイツの方を見る。
オレの価値観から行くと、万丈目の胸は大きいと思う。ブルーのお嬢様方を見ているとそうは思わないが、同じレッド寮で過ごしていると、どこぞのモデルさんかと思うくらいにスタイルの良さがはっきりと分かる。
体操服なんかで走ったりすると、ふるんふるんと妙な効果音でも付いてしまいそうなくらいに。
さらに白の体操服の下に身につけている、黒地の下着が透けて見えていたりと、思春期のオレ達にとっては何だか見てはいけないものを見てしまった気にさせるのである。

その万丈目はというと、明日香と目が合ったのか慌ててふいっと目を反らしていた。
耳まで真っ赤にしながらそういうことをしてくれるものだから、明日香もくすくすと柔らかな微笑みを浮かべている。あー、何だよ。オレ放置かよ!


「むぅ。明日香ぁ!お前だってしっかり見ちゃってるじゃんかー!」

「十代のようにいやらしい目では見ていないだろう!」

「おっ、オレだってそんな余計なこと考えてねぇよ!」

「本当にぃ?」

「あっ、馬鹿にしたな!」


明日香の腕に掴みかかり、睨みあい。デュエリストたるもの、手は命であるため流石に暴力沙汰には発展しないが。


「コラ!十代、貴様!天上院くんのキレイな手に傷でもついたらどうする気だ!」


そんなオレ達を見てか、駆け寄ってくる万丈目。
あっ、ヤバい。さっきまでの話しのせいで、もうそこにしか目がいかないや。

オレより少し身長の高い万丈目は、オレの首に手をかけると、ヘッドロックをかます。
こっ、この体制はっ!だっ、ダメだっ!


「授業中だよ、十代、万丈目くん」

「うっ。す、すまない天上院くん……」


鶴の一声と言うべきか、それともただのお邪魔虫と言うべきか。
明日香の声に、ばっと腕を解放する万丈目。
オレはその反動で、はたりと地面に伏した。


「お、オレ様は一旦帰るからな!もう二度と目の前でそういうことをするなよ、十代!」


どうしてこうも、明日香とオレとで反応が違うものなのか。
明日香が好きなのは分かるけどさ、少しはオレのことだって見直してくれたっていいじゃんか。


「本当は、僕が十代の位置にいたかったんだけど……。まぁ、今日は構わないか」

「あぁー!明日香、今変なこと考えただろ!」

「だって、男の子、だもん」


胸が当たって気持ちよかったなんて。
絶対にアイツには言えないな。

end



明日香くんの口調とユベルの口調がどうしてもかぶってしまいます……。
アニメの十代さんは、そういうこと考えてたらいいなと思ったので。


 

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