女体化小説

□嫌い嫌い好き
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オレはアイツが嫌い。

大嫌い。

あの、ダラダラとうっとうしい銀の髪が嫌い。

あの髪を見てると、なぜかイラついた。


「なぁセンパーイ。この髪、なんで切らねぇの?切っちゃえばいいのに」

女性誌をつまらなさそうにめくる彼女に、そう問いかける。

「それは、無理な話だなぁ」

自分に目を向けられ、胸が高ぶった。

「何でだよ」

緊張し震える声を抑え、必死で平常心を保った。

「そりゃあ……」



‘アイツの事を思い続けて、ずっと伸ばしてきたんだからよ……’

そう言って、頬を赤く染める。

その行動も嫌い。


オレなんか、眼中にないみてぇにしやがってよ……。


馬鹿らしくて仕方がないのに、何も出来ない自分に腹が立った。


でも。

でも、嫌いじゃない。

嫌いじゃないんだ……。


矛盾しすぎて、何言ってるかわかんねぇけど、嫌いじゃないんだ。

何もかも好き。

大好きなのに……。





「んんっ。ふぅっ」

二人で口付け合う。

ボスとカス鮫の口を繋ぐのは一本の銀糸。


「やっ、やめろよボス!ベルが見てんだよ!」


‘見てる’じゃねぇよ……。

ボスが、見せ付けてるんだ。

コレはオレのモンだってな……。


「うししっ。じゃあオレは出ていくね」

無邪気に笑って部屋を出た。

後から聞こえるカス鮫の嬌声が、オレの中の何かを震わせた。



オレはアイツが嫌い。

でも、嫌いじゃない。


いつからおかしくなったんだろうか?


あぁ……。

コイツと。

コイツと出会ってからか。


オレはゆっくりと、自分の涙を拭った。


「ぜってぇ、幸せになれよ。カス鮫……」

アイシテタなんて、絶対に言ってやんねぇからな…。


end

ボスが酷く見える!

○○前提の悲恋にすごく萌えるのは私だけか!?


 

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