女体化小説
□銀の鮫に恋をする
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例えばの話をしよう。
一人の暴君は、銀色の美しいメス鮫を愛していました。
しかしそのメス鮫は愛なんて言葉もしらず、暴君に忠誠を誓うだけでした。
ただただ何も、考えず……。
「う゛ぉ゛おい、ボス!報告書だぜぇ」
バンッとドアが開いたかと思うと、天の川の様に輝く銀髪がさらりと揺れる。
ズカズカと鳴るブーツの音に苛立ちを感じ、近くにあった酒のビンに手をかけた。
「煩せぇ、カス」
大きな音ともにオレが投げたビンが、アイツの頭に激突する。
中身が残っていたらしく、髪からはポタリポタリと雫が伝っていた。
「ってぇ!何しやがんだ!」
バッとオレの方をむくやいなや、大声を上げる。
その大声がまた、オレの機嫌を損ねた。
否。
ただアイツを見るだけで、無性に腹が立つのだ。
意味もなく育った乳に、それに似つかぬ身体。
報告書を出しに来るときは『急いで来ました』と言わんばかりに、赤づく頬と荒れる息。
全てがオレの怒りに変わった。
「ちっ。おらよ」
アイツは机に報告書を置くと、この部屋から出ようと出口へと向かう。
すると、ふわっとシャンプーの香りがひろがった。
オレはとっさにその髪を引っぱった。
、