short

□signal
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「颯斗」

彼女の声が聞こえる
暖かでカラカラと鈴をならしたような
その声が心地よすぎてまた瞳を閉じてしまう
そっと頭に手が乗せられる
そしてそのままコツンッと僕の頭をこついた

「ん・・・・?」

目を開けるとムッとした彼女の顔
彼女は僕が起きたことを確認すると、また更に僕の頭をこついた

コツン コツン コツン ゴツンッ!

「い、痛いですよ・・・」

そう言って困った顔をすると彼女は泣きそうな顔をする

「起きない颯斗が悪いの!」

そして次はぷくっと顔を膨らませて怒った顔
貴女は怒った顔でも種類が沢山あるんですね・・・
僕はそっと起き上がり彼女を抱きしめる

「すみません・・・寂しかったですか?」

腕の中の彼女を覗き込み、小さく笑ってそうたずねる
僕と目があった彼女は赤くなりながら視線をそらす
「別に・・・」なんて強がりを言って
僕は小さくまた笑うと彼女の額にキスをする
彼女は真っ赤になったかと思うと僕に抱きつく
そっと頭を撫でると嬉しそうに笑う

「本当は寂しかった。キスしてくれたら許すよ」

僕をからかいたいのか笑顔でそう言う
残念。こんな可愛いことで僕はからかえませんよ?
僕は彼女に顔をよせキスをする
彼女は真っ赤になりながらも僕を受け入れてくれる
小さくリップ音を鳴らし離れた唇
僕は彼女の唇を指でなぞるともう一回キスをする
そっとその唇の中に舌を滑り込ませると「ん・・・っ」と小さく声が漏れる
僕は満足するまで口の中を侵食すると、ゆっくりと彼女を離す
すると彼女は怒ったように頬を膨らます
見上げられてるので怖くなんかないですよっ

「ちゃんとキスしたでしょう?まだご不満ですか?お姫様」

「2回目のキス、嫌」

なんだ、そんなことですか。
僕はゆっくりと彼女の頭を撫でる

「貴女にはまだ速かったでしょうか?」

そう笑って返すと今度は彼女に睨まれた

「子ども扱いしないで。嫌なだけだもん」

またそんな強がり
僕はそんな彼女に「そんな貴女も好きですよ」と言うと、彼女は真っ赤になりながら「意味分かんない」と言って僕の胸に顔を埋める










僕の彼女への心のシグナル
青から赤へと変わります
赤 危険 少し怖くなりそうです
抑えられなさそうで 貴女への想いが
だけど少し嬉しいんです
僕にもこんな気持ちがあったことが―



今日も僕の心のシグナルは赤のまま
















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