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□+もしもの話+(拍手ログ)
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+もしもの話し+




『もしも、梓に猫耳が生えたら面白そうだね』


確かあの子がそんなことを言っていた気がする
それが、本当になるなんて、思いもしなかっただろう




僕はいつもどおり、皆より早くに弓道場に来ていた
そしていつもどおり、皆を待っていた
僕が来て数分もしないうちに弓道場の扉が開いた
こんな早い時間にくるのは、夜久さんか宮地くんか、それともあの子か・・・
挨拶をしようとして振り返ると―

「・・・・へ?」

そこには木ノ瀬君が居た
普通なら「早いね」、その一言なんだけど
今日の木ノ瀬君は違った
木ノ瀬君の頭からは猫のような耳が生え、後ろには猫の尻尾にも見えるものが生えていた
一瞬、自分の眼が変だと思った
でも、何度目を擦ってみても変わらない

「・・・部長」

数秒の沈黙の後
木ノ瀬君がまるで泣き崩れるようにして僕に縋ってきた
どうやらアレは幻覚などではないらしい

「耳が・・・ど、どうしましょう!」

今にも泣き出してしまいそうだ
でも、僕もこんな不思議な異常に混乱していた
普通ならこんなことはないはずなんだけど・・・
いや、星詠み科がある時点でそうじゃないかな・・・

そうしているとまた扉が開いた
今度は彼女だった

「お願いします」

彼女は、僕達に向かって歩いてくる
そして木ノ瀬君の異常に気がついたのか足を止める

「・・・・梓?」

あの子は、ポカンと口を開けて木ノ瀬君を見ている
そして、僕の方に向かって

「か、仮装大会ですか?」

さすがにこの状況は信じられなかったのか、最もな意見を述べた
この場合は、最もではないが・・・

「いや、残念ながらそうじゃないらしいんだ」

僕だって最初はそう思った
だけど、尻尾や耳があまりにもリアルすぎた
そう言った僕に彼女は目を見開く
そして少しして、今度は別の顔になった
好奇心と、獲物を見つけたような顔

「うわっ・・・!?」

そして彼女は木ノ瀬君に近づくと思いっきり木ノ瀬君を抱きしめた

「か、可愛い・・・!あずにゃん、あずにゃん」

今さっき思いついただろうあだ名を言いながら、木ノ瀬君に頬ずりした

「ちょ・・・っ!やめろ・・・!」

木ノ瀬君は真っ赤になりながらも必死で抵抗する
彼女はそれを逃がすまじと強く抱きしめる
心なしか木ノ瀬君が嬉しそうに見えたのは気のせいではないだろう
僕はその状況を呆然と見つめる

「可愛い・・・持って帰っちゃってもいい!?」

「い、いや・・・待って!やめろ・・・」

「え〜、いいじゃん!」

僕が混乱してるのをよそに話はどんどん進んでいく

そして数分してでた結論
それは

「木ノ瀬君、楽しそうだしいっかな」

そんな答え





それからどうなったのかは・・・




(ぶふ!?木ノ瀬、ソレは何だ!)(笑わないでください!朝起きたらこうなってたんです!)(あずにゃん、可愛い〜)





+もしも梓が猫になったら+






沢山の拍手有難うございました!
















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