デュラララ!!

□染みついた痣にキスを
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少女は腫れあがった腕に手を置いた。するとその腕は貫通するかのように
響き息ができないような痛みを発する。
それを見ている平和島静雄はただ自分の心の中に後悔と自己嫌悪が混じり
感情にあらわすことのできない痛みを煙草に吐き捨てるのだった。


「…亜子、」


静雄は煙草を灰皿に押し付けると、申し訳なさそうな切ない顔をして
私の前に立った。

「何?その顔酷いよ」

ああ、きっと彼の中では後悔の渦と自己嫌悪の渦が混ざって
もやもやとなっているのか。

「…亜子はどうして俺と一緒にいるんだ?」
「好きだから」

痛む身体は、静雄が意図的にした。
だからといって嫌いではない。寧ろ好き。

「本気で言ってんのか?」
「だって、この痛みは静雄が私を愛してくれている証拠なのでしょう?」

だから、私は構わないし気にしない。
きっと殺されても私は静雄を嫌いになることなんてない。

静雄は私の手を引いてベットに倒すと、腫れた腕に優しく口づけをした。



染みついた痣にキスを
(そのキスは心の痛みを)
(全て、取り払うため)











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