デュラララ!!

□時間を戻そう
1ページ/1ページ





「亜子、明日からもう来なくていいよ」
「…へ?」
「もう、用無しね」


そういって突然臨也に追い出された。
分かってたよ。そりゃ。いつか、私は要らなくなって
私よりおもしろくて人間味のある人を探し当てるんだって。

「っ」

分かってるのになんで?どうして?涙は頬を伝うの?

「そっか…」

答えは簡単で、単純で、笑えてしまうくらいあっけないものだった

「わ、たし…臨也が好きだったんだ。」

嗚呼、この想い伝えていれば何か変っ―

「変っていたと思うよ。少なくとも、俺の気持ちはだけど。」
「あれ?」
「俺、情報屋。」

嗚呼、神様は私の見方をしてくれているのかな?
投げ出された、捨てた臨也さんともう一度巡り合わせてくれるなんて。

「本当は、酷く後悔してたよ」
「…臨也さん」
「どうして亜子を素直に愛せなかったんだろうって。」

静かに呟いた。彼の声は今にも行き交う人々の雑音にのまれそうなくらい
弱くて初めて聞いた声。

「…私、臨也さんのこと好きです」

そんな声を聞いたからか、気づけば素直に真っ直ぐにあまり
声に出したことのない単語が喉から自然に溢れた。

「亜子、時間を戻そう」
「臨也…」


時間を戻そう

そう呟いた彼の声は強くてでもすぐに壊れそうな涙声でした。





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ