デュラララ!!
□新しい鞄を下げて
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薄いガラスが隔たっている。
それさえなければあの鞄に手が届くのに…
「亜子じゃねぇか」
「わわっ!静雄」
ガラスにくるっと背を向け、声がするほうに顔を向ける。
するとそこには彼氏の静雄が立っていた。
「おう、何してんだ?」
「実は、あの鞄欲しいんだけど…お金なくて眺めてたんだ」
ガラスの向こうを指さす。
まさに今はやりの鞄で一番私が好きなブランドの鞄でもある。
静雄はゆっくりガラスへ近づいていった。
「…買ってやる」
「はっ?!」
静雄はしばらくガラスを眺めてから呟いた言葉に驚いた。
「だから買ってやる」
「悪いよ!」
私の必死の断りも虚しく静雄は手首をつかんで無理やりそのお店に入る。
かわいい店員さんが私たちの前に現れた…
そして次の日
新しい鞄を下げて久しぶりのデート
鞄が欲しい!それだけです。