2

□副長サマの恋人
1ページ/1ページ


職業。
真選組の鬼副長。

趣味。
煙草とマヨネーズ(?)

性格。
凄く短気。

嫌いな物。
甘い食べ物。



最近、副長からは甘い匂いがする。

すれ違う度に、ふわっと香る甘い匂い。

チョコレートだったり、ケーキだったり。

確か、副長は甘いものが嫌いだったはずだ。

ならどうして?

「んー…」

山崎は必死に頭を捻らせる。

「ってか、やっと僕の名前出てきましたね」

そんな筆者への不満はスルーして、本題だ。

副長に、女は居なかったはず…多分。

でも、甘いものが嫌いな副長から、どうしてこうも甘い匂いが?

やっぱり、色恋沙汰だろうな、と山崎は確信する。












「山崎」

「ひぃっ!て、なんだ、副長ですかぁ」

「なんだってなんだコラ。さっさと仕事しろ」

副長が俺の隣を通り過ぎていく。




あ、まただ、甘い匂い。




「副長…副長の傍には、甘いものが好きな方がいますよね?」

山崎の言葉に、土方はフン、と笑って行った道を引き返してきた。

「ああ、なんで知ってる?」

「副長が通る度に、甘い匂いが漂っていくんですよ」

山崎が言うと、何故か土方は肩をすくめて笑った。

「そうか、アイツは甘味が好きだからな。匂いがついちまったのかもしんねェ」

土方はなにやら幸せそうにはにかんだ。

部下の俺も見たことがない副長の笑顔。

甘い香りの主はどんな人か分からないけど、それはきっと美しい人なんだと思う。

いつか、風の便りで副長の大事な人を見てみたい…そんな思いを桜に乗せて、俺は自室へ戻った。

END


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ