虐待

□父さん、あのね
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私が三年生になると父は仕事を辞め、母が夜勤にでるようになった。母に生後数ヶ月の妹の面倒を私は任された。当時中三の姉は殴られそうになると「ああ!!何で私ばかりこんな目にっ」と言って私と四歳の妹、生後数ヶ月の妹を置いて自室へ逃げていた。

 父は私を姉の分まで殴った末っ子が夜泣きをしていると「うるさい!!そのガキを早くだまらせろっ」って怒鳴った、怖かった。でも泣くのは我慢した。姉は逃げるし、妹は泣いてる・・・私が泣く場所は無かった。何しろ私は要らない子だから、泣く価値はないもの。だから笑った「ごめんなさい、すぐに寝かしつけます」って。父が寝た後、涙が出そうになって、慌てて涙を止めた。妹はミルクをあげてもオムツを替えても泣き止んでくれなかった。

 だっこして子守唄を歌っていたら眠ってくれた。可愛い寝顔だった。次の日は土曜日
いつもならもう帰っている母だけど毎週土曜は帰りが遅いから私が朝ごはんを作った。インスタントラーメンだったケドね。父が黙って食べ終えると「湯を沸かしてコーヒーを入れろ」って言った。「はーい。」元気に返事をして台所に向かう。コーヒーミルでコーヒーを入れながらリビングの父のほうを見る。

黙ってテレビを見てた。おいしいって言ってくれるかな??なるべくニコニコしながらコーヒーを渡す。父は一口飲んで「ぬるくてまずい、やり直し。」って言った。「ごめんねぇ?」笑ってカップを受け取る。今度はおいしく入れるね。大好きだったから私にも笑って欲しくて頑張った。


 ダメかもしれないって分かってたけど頑張った。

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