*恋人は専属SP 夢2*

□*海と君と…*
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昼間の賑わいが嘘のような、静寂な夜の海

クルーザーで、豪華な夕食を終えて、ホテルに戻りながら、浜辺を散歩していた。

昴にすすめられるまま飲んだワインは、甘くて口当たりも良く、初夏にしては少しだけ飲み過ぎてしまい、砂の上を歩くあしどりはふわふわしている。


少しだけ冷たく感じる潮風が熱をもった頬に気持ち良くて、立ち止まって ゆっくり深呼吸をした。


「はぁ、楽しかったなぁ…」

今日の一日を振り返り初夏は、海を眺めながら呟いた。


「みんな、忙しいから一緒に海に来れるなんて思ってなかったから、嬉しかったです。」

無邪気に、昴に微笑む初夏に昴は薄く眉間にシワを寄せた。


「…俺と二人より、あいつらと一緒がいいのか?」

少しだけ拗ねたように言う昴に、初夏は驚いて、息を詰まらせた。


瞬間固まる初夏に、昴は視線を外して 歩き出した。


「す、昴、さん」

思いがけず、昴を怒らせしまった事に初夏は慌てて、昴の後を追った。


−−−−−あっ と
思った瞬間、砂に足を取られて バランスを崩した。



「…あ…」

反射的に、目をきつくつぶった、初夏の身体は、ふわっと温かな腕におさめられた。


「…あぶねーな」

目を開けると、昴がしっかり初夏を受け止めていた。

「ご、ごめんなさい。」

−−−チュッ

初夏が言い終わらないうちに、昴は初夏の額に口づけた。

目を真ん丸に見開いて、昴を見上げると初夏を抱きしめる腕が少しだけ強くなる。


昴の背中に、腕をまわして きゅっと抱き着いて、初夏は昴の胸に顔を埋めた。

昴の体温、昴の匂い、心地好さに目眩がしそうだった。



「昴さん、大好き…」


小さく呟くと、初夏の身体をそっと離して、昴は両手で柔らかな頬を包んだ。


「俺だけ、見てろよ」


答える変わりに、初夏は背伸びをして、昴に口づけた。

それが合図となり、昴は噛み付くように初夏の唇を奪い、舌を絡めて激しく口づけた。

カクンと力が抜けて、されるがままの初夏を抱き上げると、熱を孕んだ瞳で初夏を見る。

「ヤキモチを妬かせた罰に、今夜は寝かさねーから」

そう言うと、初夏を抱き上げたまま また深く口づける。

僅かに、離れた唇で初夏は小さく呟いた。


「早く、部屋に…行こう?」


思いがけない、初夏の言葉に、昴の胸が熱く高ぶる。


「愛してる…」


昴の優しい囁きに、初夏は ふわりと笑みを零した。




fin
 

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