庭の石が踏まれ、ジャリっと音がした。
空からは、雨粒が落ちてくる。
次第に、勢いを増しながら。


兼続は自室で書を読み漁っていた。
「ん…?」
夢中で書を読むうちに、外から雨音が聞こえ始めた。
読みかけの書を閉じて立ち上がると戸を開き縁側へと足を踏み出す。
「雨か…」
ふと呟いた声は雨音に消え去る。
兼続は恋仲である三成を思い出す。

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