ぎぶあんどていく
□sweet
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映画研究同好会に入るなり晴香は八雲に詰め寄った。
不可解そうに八雲が仰け反ればさらに距離を詰めて椅子に座る八雲と鼻先が触れそうなほど
「八雲君、今日うちに来ない?」
いきなりの申し出に八雲は唖然。
「…。それは夜の誘いと受け取って
「違います!」
真っ赤になった晴香の抗議にむっつり。
「じゃあ何だ。据え膳なんてごめんだぞ」
我慢は身体によくないらしいしな。
「どうしてそういう方にもってこうとするかな…」
呆れ顔の晴香に八雲は眉を寄せた。
「で、何だ?」
「うちにくればわかるから!!」
強引な晴香に戸惑いながら八雲は晴香の家に向かった。
「はい、これが八雲君にうちに来てほしかった理由だよ」
晴香がだしたのは
「…ココア?」
「ご名答!!」
「上に乗ってるのは何だ?」
白くてふんわりとしたそれは見覚えのあるもので
でも以前見たときはココアの上になんてのってなかった。
その以前見たときというのも彼女が持ってきてくれたものにふんだんにのっていた。
「わからない?生クリーム…」
「それくらい見ればわかる」
バカにしてるのか…
「ココアはビターで生クリームはちょっと甘めに!!今ちょうどよく溶けてるから生クリームがふわふわで美味しいよ!」
彼女に促されるままにココアを飲めば
お、
「美味しい?美味しい?」
まったくこいつはせっかちな…。
「悪くはない」
「もう、素直じゃないんだから」
言葉の割りに顔はにへらってしていてその顔を見ていると胸がむずむずする。
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