他版権物
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美咲は碓氷を引きはがし、再びマスコットを抱えようと腰を下げた。すると、いつの間にか目の前にバテた叶が、潤んだ瞳でこちらを見ていた。おい、いつからいたんだ。
「会長〜、もう僕へとへとです…無理ですよお〜…帰りたいです…」
「何をやっている、叶!!それでもお前は副会長か!?…こんなへっぴり腰、わたしは生徒会に入れた覚えないぞっ!!」(鬼顔)
「ヒーッッ…!!」
「まあ、まあ、美咲ちゃん。叶くんも疲れてんだよ。チョットくらい休ませてもイイんじゃない?☆」
フーっと息を吐きやれやれといった顔の碓氷。そして、ガシッと叶の首に腕を回し、
「会長。叶くん少し借りるねー」
と言うと、あっという間に二人は階段に消えてしまった。
「…ったく、なんなんだよ!?」
美咲はハアーと大きな溜息をつくと、マスコットを抱えて覚束ない足どりで階段を再び降りた。
下駄箱に着き、マスコットをそこらへんに置いて靴に履きかえようとした時。
また、あの目が回るような感覚に落ちいってしまった。景色がグルグル回って立っていられない。
バランスが崩れ始める。
ヤバイ!!また貧血か!!くっ…倒れる……!!
ぎゅっと目を瞑ったが…
おかしい。
訪れるはずの痛みが感じない。
そして、何故か所々暖かいものに触れられている気がする。浮遊感も心なしか感じる。
「ハーイ、お姫様抱っこ♪」
「……ん?…碓氷…!?」
「ほらね、また危ないデショ-♪」
目を開ければ碓氷の整体な顔がすぐ近くにあった。腰と膝をがっしりとした腕に抱えられそこに微かな温もりがあった。
「何でお前がっ!!バッ馬鹿!!離せ!!」
「隠れて会長を追ってたんだよ。ああ、なんかこのシュツエーション、すっごく萌えるね♪」
「何を言っているんだっ変態!!…どこ触って…!!」
違うんです、
(男のロマンについて研究しているだけです。)
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