戦国 BASARA

□かわいそうなあたしたち
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元就キャラ崩壊につき注意











『わあっ!』

「なんだもう限界か。仕様がない」

『ちょ、や……っ!』

「さっさと我の胸に飛び込、『まねえからぁぁああああ!!それ以上揺らしたらマジで殺すぞ!!』



木の枝に登り叫んでいる私は十分変人だと自負している。でも、待って。これには理由があるの。仕方ないの。それより木の下で木を揺らしたり裾の中を覗こうと木の周りをぐるぐると歩き回ってベストアングルを探しているコイツ。ねえ、コイツのせいで私が可哀相なことになっていると思った人。お友達になろうよ。コイツ、集団リンチしない?大丈夫、世のため人のための善意ある行動として終わった後の達成感半端ないから。大丈夫、土に還せばバレないって!

……私はコイツに仕えています。泣きたい。人生最大の汚点。絶対に謀反起こしてやる。


そうそう、誤解される前に私が木の枝にいる理由。もう思い出したくもないけど勘違いされたら嫌だし説明するよ。単刀直入に言えば、コイツがさも当然のように私の簪を投げたから。


事はといえば、昼休み。昔の恋人から貰った簪を眺めしみじみとしていたら休憩所に突如、奴は乱入してきた。他の女中さんもビックリしていた。しかし一番ビックリしていたのは私だ。ヤバイ。私の持ってる物は間違いなく興味を示すはずだ。その予感は的中し、「それはなんだ」と、問い詰められ『父から貰った物です』と、他の女中さんの手前、敬語で応答する私。それに満足したのか私の手を引いて何処かへと連れていく元就。どうせ小腹が空いたから何か食わせろと言いに来たのだろうと高を括り、この簪の一件は終わるのだと思っていた。が、元就に手を引かれ休憩所を出る間際に一人の女中が隣の女中に耳打ちをした。「……あれってこの間、恋人から貰った物だと言ってなかった?」


……あとはご想像の通り。地獄耳のアイツはその会話を漏らすことなく鼓膜にキャッチした。ほんとに地獄に堕ちればいいのにね。……私の手から素早く簪を奪い取ったアイツは何の躊躇いもなく障子に向かってそれを投げた。簪は障子に貼ってある和紙を見事に貫通し、その直後葉が揺れてカサカサする音がしてついでに鳥がギャーギャー騒いでいる鳴き声がした。………これ、絶対に木の上に引っ掛かった。

そして冒頭に戻る。




『ちょっと揺らすなって言ってんでしょ!馬鹿じゃないの!死ね!』

「そのような物我がいくらでも買ってやる。早く我の元へ戻れ。……さあ!」

『さあ!じゃねえよ手広げんな!てか揺らすな!根幹が折れる!!』

「混浴?」

『 根 幹 !お前の耳は飾りかっ!?』

「混浴がしたいのならばもっと早く言え。今用意させる」

『一人で入っとけ!てか、他の女中さん呼んできてよ!もう一人じゃ無理!』

「そんなに早く我と混浴したいのか…!よいぞ、望み通り我と一つに、『きゃあああああ!!』



今のは断じて恥じらいからの悲鳴じゃないよ。こいつに対して恥じらう事とか多分一生ない。絶対ない。……なんかね、幹がめきめきいってるの。


あ。言ってなかったけど、飛んでいる鳥とこんにちは、できるくらい高いんですこの木。いつの間にかこんな高くまで登っちゃったんだよね。まったく、私ってば物を大切にするいい子。………てへ。













かわいそうなあたしたち










私を受けとめたコイツは「腕が折れる」とぬかしたので平手打ちをかました。それを見ていた女中頭は見事に卒倒した。私の心身疲労は極限にまで達した。誰かコイツを討ち取って。




End








あー楽しかった。realで書いた元就独毒夢のPart2を書いたらとんでもなく長くなったのでこちらにアップしました。
(※独毒…独占欲丸出し勘違い馬鹿男キャラ×毒舌夢主の意。(本サイト用語とでもお思い下さい。夢主からは死ねばいいのにと思われている。しかし夢主に迫る。欝陶しいお馬鹿ちゃん。そして変態。……あれ?これって光秀は素じゃない?笑))
realでも語りましたけど、普段クールな男キャラが夢主に対して以上なほどの独占欲を見せてさらに変態だったら萌えません?もっと言えば夢主が毒舌でその男キャラをゴミみたいな扱いをしていたらさらに萌えません?
そんな設定に萌えてしまうのは何故でしょうか。共感していただける方はいますか?(無期限同志探し中笑)


20111127

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