戦国 BASARA

□恋人達のクリスマス
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扉が開いた。


一人暮らしの女の部屋だろ?なんて不用心な!!


一瞬、自分でもよく分からない怒りが手を震わせたが、構わずに扉のドラノブを引いた。




「Merry Christmas!!名無しさん、来てやったぞ!!」


「早っ!!てか、なんで家にいるの?」


「鍵かかってなかったぜ。」


「だからって普通に入る?着替中だったらどうすんの!!」


「それはLuckyだな。速攻脱がす。」


「クリスマスだからって調子に乗るのはそこまでにしてよね!!」




名無しさんはシャワーに入っていた後らしく、髪がしっとりと濡れていた。


もう少し早く行けば、着替え中だったかもしれねェ。惜しいことをした。




「それで、Princess?今日は何処に行きたいんだ?」


「わーい!!えっとね……」




瞳が輝き出した名無しさんを見て、思わず口角が上がってしまった。


出来る事ならば、俺は名無しさんの家でのんびりしたかった。
名無しさんの手料理を食べ、プレゼントを渡し、Bed In……。


ありきたりな、クリスマスの恋人達の過ごし方。


いや、本音を言うと一日中、名無しさんとBedに居たいが。


それでも、今日だけは名無しさんの我が儘を一つ残らず実現させてやりたい。


名無しさんの飛び切りのSmileが見たいんだ。


Christmas限定じゃなく、一年中見ていたいが、我が儘お嬢様の望みを叶えるのは一日で精一杯だ。


俺も今日のために色々と手は打ってきた。





「じゃあ、政宗に私の手料理を食べさせたいな。」


「………what?そんなんでいいのか?」


「そんなって失礼な!!だって思い返してみればクリスマスの日は外出ばかりだったでしょう?
それに政宗が私の我が儘に答えてくれた。
でも、今日は私が、政宗の我が儘を聞く日なの!!いい?分かった?」


「フッ……With the greatest of pleasure my honey.(かしこましました)」


























「なんでもしてくれんのか?」


「で、できる限りのことはね。」




そんな事言われたら一つしかないだろう?




「Be「却下!!」







果たして、暖かい夜はやって来るのだろうか?








―END―




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