戦国 BASARA
□毎日君に恋して
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「…政宗」
「なんだ、honey」
「つまらない。暇」
「…そうか」
「…え…そんだけ-ー…?」
「……どうしたんだよ」
こっちは真剣なのに、政宗は雑誌を見ながらどこ吹く風のように返事を返してくる。別に期待してた訳じゃないけどさ。
「どっか連れてって」
「a-ha…passだ」
「なんで?」
「悪いがそういう気分じゃねえんだ」
「……………」
「…怒んなよ?」
名無しさん? と、どさくさに紛れて政宗は抱きついてくるがそんなことされても私の機嫌直らない。
もっともっと私の事大切に大事に思って欲しい。
たまの休日くらいデートしたり買い物したりしたいのに。
ぶぅ…―、とふて腐れてる名無しさんを政宗は優しく自分の身体の上に乗せた。
なんだか親子みたいな光景で政宗は少し微笑んだ。愛しいってこういうことなんだ、と。
「…honey、俺はな、名無しさんとずっとこうしていたいんだ。いつまでも。ただ平凡に」
いつか、必ず 『平凡』が幸せに思えるようになる日が来ることを知っているから。
この日が幸せだと感じる日が来るから。
(『その時は名無しさんを悲しませてるかもしれないな…』)
――また戦が近づいて来る。
その時自分は生き残れているか…正直不安だ。
自分が死んで名無しさんを悲しませることは容易に想像できた。
だが、我が儘だとは思うが、死ぬ前に名無しさんの温もりを感じていたい。
もっと、もっと、もっと。
どこかでdataするよりも、遊びに行くよりも、名無しさんを感じていたい。
(――ゴメンな、我が儘だよな。お前だって我が儘言いたいよな)
でも、せめて……
あともう少しだけはこのままでいさせてくれ…――。
「……政宗?」
「あァ、悪りぃ」
「ねえ、もうしょうがないからずっと政宗とこうしててあげるよ。」
「?…名無しさん」
「政宗と一緒にいたいもん」
(嗚呼…想いは同じだな――。)
君を離しはしない。
END.
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