戦国 BASARA

□雪降り嫉妬
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雪が静かに降り土の上に薄く積もる。


息を吐けば白い蒸気が、ほうっと空気に溶ける。


奥州の冬は寒い。


白い空と雪で辺り一面真っ白になった頃。



「……名無しさん」

「はい、政宗さま」


「…ッ……なんでもない…」

「…?…さようですか」



政宗さまが私を呼んだ。
だが、特に深い意味はなかったようだ。

再び外を見る。寒いのは苦手だけど、この、しーんとしてる景色は好きだ。

遠くの山の方に見を細めると、雪国にしか生息しない狐をたまに見かける時がある。
子連れの狐達が餌を求めて山を下りてくるのだ。


こっちの畑へ来てはいけないよ。荒らしたりすれば小十朗がきっと悲しむ。


畑が大好きな小十朗の落胆した姿が浮かび、小さく微笑む。



「…おい、何で笑ってんだ?」



静かに笑っていたのに、気づいたようだ。



「いえ、片倉の事をちょっと考えただけです。」



そう言い訳した。




「ha?何で、小十朗の事考えてんだよ」


「そう、たいしたことでありません。気に障りましたか」

目障りだっただろうか。
ならば謝りたい。



「政宗さ…」
「他の奴の事を考えるな。


……お前は俺だけを見ていろ。」







一瞬なんと言われたか理解できなかったけど、政宗さまは妬きもちを焼いたのだ。

そう考えると身体が火照った。全身が赤くなった。







「…おい、何で赤いんだ?」

目ざとく言われた。





……正直に言おう。



「政宗さまの事を考えていたからです」






政宗さまはニヤリと右端を釣り上げた。





「That's good!上出来だ」








---END---








(今日は何故か寒かったので雪ネタ←ツッコミ

嫉妬政宗が書きたくて書いちゃいました♪+'.・


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