戦国 BASARA
□Of course!!
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「はっきりゆーけどなあ、名無しさん、今顔スゴいことになってるぞ」
『……私の泣き顔に、何か不満でもッ!?』
「つーか、めちゃくちゃ不満だぞ。俺ァ彼女の汚い顔は見たくねぇンだよ。ホラ、泣き止め」
『グス…慰められてるのか、けなされてるのかわかんないよォ…』
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一時間前、名無しさんは借りてきたDVDをチカと見ようと思いセットした。
そのDVDのタイトルは、ずばり『子羊ヘルン』。
涙なしでは観られない、超感動作だ。
『チカっ!!一緒にDVD見よう!!』
名無しさんは台所で煙草を吹かしている元親に元気よく声をかけた。
「DVD?何のだ?」
『子羊へルンっ!!知ってる〜?』
「知ってるも何も……俺ァその映画に出演したぜ?」
『嘘ーっ!!?チカっ、俳優さんだったの?!』
「まあな、って……バーカ。ンな訳ねェだろ。気づけ、阿呆」
『な、何ですとおぅううっッッ!!!私を騙したの!!?』
「お前が何もかも、俺の言葉を信じるから悪ィんだろうが」
『……だってチカのことしか信じれないもん』
「…!っ」
『チカのこと大好きだから。』
「………わかったよ。俺が悪かった」
元親は名無しさんに謝罪するように優しく抱きしめた。
いい香りのする髪に顔を擦り寄せて、耳元でキスをした。
「名無しさん…。今の言葉、めちゃくちゃ嬉しかった。これからも俺だけを信じてくれ。そして俺だけに笑ってくれ」
『…チカ…?』
「俺ァ名無しさんだけが、生きがいだ。他は何もいらねェ……」
『……うん』
「だから、その、……名無しさんは俺だけを信じてくれ……!!」
『……もちろん!!!!!』
Of cours!!
『この映画って……何でホラーなの!?』
「ひぃいいっ!!ヘルンが出たァ!!」
『きゃあああああああああああああっ!!!!!!!!!!』
「怖ェ!!ヘルンの復讐怖ェェっ!!!」
『いやあああああっ!!もういやだあっ』(泣)
【冒頭に……】
「何が、涙無しでは観られない超感動作よっ!!このパッケージに騙されたわっ!!!」
『いや…名無しさん……。ある意味感動だったぜ………』
end