戦国 BASARA

□time limit
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『ゴホっ…ゲホっ…!』




 半兵衛は豊臣軍が次に攻めいる戦法を震える手で書き留める。が、もう片方の手は口元を抑え血が僅かに付着している



参ったな…。僕にはもう時間がないようだ…。…



『…ゲホっ……ガハッ!』


 …ビチャ…



 血が畳の上に散乱する。喉が燃えるように熱くなり呼吸が出来ず苦しく呻いた。



駄目だ…。…僕はまだ死ねない…。やらなきゃいけない事がまだたくさんある…。秀吉の天下が観てみたい。…それに…名無しさんの笑った顔も見たい…



それまで…生にしがみつけ…








「…さま!竹中様!!」


「…ゴホっ……何だいこんな時間に」


「その…面会を希望している女がおりますのですが」



 障子の向こうから小兵が困り果てた声で半兵衛にその旨を伝える。



「何度も追い払ったり脅したりしたのですが…それがその女一向に引きませんでね…名は…確か…名無しさん…と…」


「!…すぐに通してくれ」



はっ! 小兵が遠退く。





 …ドキっドキッ…


 フフ…全く煩い僕の心臓。こんな時だけ元気になるのだから自分でも呆れてしまうじゃないか







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