エリア2

□不意打ちもいいところ
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「頭が痛い」


飛鳥にそう言われ飛鳥の額に手をのせる。


「熱あんじゃん。」


「やっぱりか・・・」


「んだよやっぱりって。」


「いや昨日も熱あってさ。朝は熱さがってたから、行けると思って。」


「はぁ〜・・・たくっ無理しやがって」


「急に断るわけにもいかないだろ。」


「だからってなぁ・・・」


俺らは今珍しく市街地に近い駅のなかにいる。というのも俺が買い物につき合っ
てほしいと言ったのだが。会うのも久しぶりだったし、デートらしいデートなん
てもうここ最近ずっとしてなかったからたまにはと思い今に至る。


だが、暫く歩いていると突然飛鳥があんなことを言い出してしまった。これでは
デートもくそもない。


「まっしょーがねぇ。今日はいったん帰るか。」


そう言って座っている飛鳥の手を引くが、なかなか飛鳥は立ち上がらない。


「んだよ。飛鳥早くたてよ。」


「やっぱり悪いしいい。私なら平気だから。」


「何いってんだよ。具合わりぃんだからしょうがねぇだろ。」


そういって飛鳥の手を無理矢理引っ張るが飛鳥は願としてその場所から動こうと
しない。


「飛鳥。俺のことはいいからとりあえず動け。」

飛鳥は無言で首を振った後口を開く。


「だって・・・だし。」


「はぁ?」


あまりの声の小ささに聞き返すと飛鳥は少し声のボリュームを上げてはなす。


「だって会ったの久しぶりだしこうして出かけるのなんてもっと久しぶりなのに
もったいない・・・」


「・・・んだよ。そんなことかよ・・・」


俺がそう言うと飛鳥は無言でコクリとうなずく。


不意打ちもいいところ


たくっ。んなこといわなくたって側にいてやんのに。いきなりそんなこと言ってくるなんて反則だろ。


「タカ・・・?」

「あぁわりぃ。ダイジョブだから。お前がいやって言っても今日は一日一緒にいてやるから。」


「ん・・・ありがと。」



end


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