エリア2

□幸せ下校TIME
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部活が終わり長い1日が終わる。


「ああ、タクか。いいぞ、別に」


「よかった!!じゃあいきましょ!!」


週に一回の幸せな時間。大好きな大好きな飛鳥さんと二人で過ごせる時間。俺は
この時間が大大大好きなわけで


「あっ飛鳥さん俺ちょっと雑貨屋行きたいんですけどいいですか?」


別に行きたかったわけじゃないし用事があるわけじゃないけど、少しでも飛鳥さ
んがいたいそれだけなんだ。


雑貨屋にはいるとサッカーボールとユニフォームがついたペアキーホルダーを見
つけた。


しかもユニフォームの色が赤のものがあり、俺はなんだか無性にうれしくなって
飛鳥さんにそのキーホルダーを見せながら話しかける。


「飛鳥さん、飛鳥さん!!見てくださいこれ!!サッカーですよ!!しかもユニフォー
ムの色が赤ですよ!!」


「ホントだな。へー…欲しいのか?」


「えっと…欲しいですけどペアですし…」


ホントは欲しいなんて思ってなかったけど否定もできず欲しいなんて言ってしま
った。すると飛鳥さんは


「じゃあ一つは俺がつけるから買うか?」


「えっ…いいんですか…?」


「ああ。このくらいだったら買ってやるよ。」


そう言って飛鳥さんは俺にキーホルダーを買ってくれた。


俺らはその後、帰り道に戻り今は飛鳥さんの寮の前だ。


「それじゃあタク。またな。」


「あっ!飛鳥さんまって!!」


そういって飛鳥さんを後ろから抱きしめる。まだ一緒にいたいという気持ちとま
だ言えてないキーホルダーのお礼がしたいという気持ちがこんな行動をさせる原
動力となり、今の状況を作り出している。


「タク……?」


飛鳥さんから心配してるようなそして困っているような、そんな声が聞こえる。


俺はそんな気持ちをぬぐい去るようにして言葉を発する。


「飛鳥さん、すこしだけ…このままの状態で俺の言うこと聞いてくれませんか?」


俺がそう言うと何も言わず頷き優しく飛鳥さんが語りかける。


「なんだ?」


「あの…キーホルダーありがとうございます…あとあのキーホルダーどこでもい
いんでつけてくれませんか?」


いやだとか言われたらどうしようそんな気持ちといいよと言ってくれるのではな
いかという気持ちが入り交じり、押しつぶされそうになる。


だがそんな俺の気持ちと裏腹に飛鳥さんはあっさりと


「いいぞ」


といい、俺が抱きついたままの動きにくい体で携帯にキーホルダーをつけてくれ
た。


「これでいいか?」


そう言いながら飛鳥さんは俺に携帯を渡す。俺は一回抱きしめるのをやめ、その
携帯を見る。


そこには飛鳥さんの何もついていなかった携帯にキーホルダーがついていた。嬉
しさのあまり、興奮するのを押さえ「ありがとうございます」とお礼を言う。す
ると、飛鳥さんが


「お前はつけないのか?」


と聞いてくる。それを聞いて俺は急いで自分の携帯を出してキーホルダーをつけ
る。


「どうですか?」


そういって飛鳥さんにキーホルダーをつけた自分の携帯を見せる。


「ああ、似合ってるよ。」


そう言って頭を撫でながら「またな。」といって寮の中へとはいっていく。


幸せ下校TIME


飛鳥さんとお揃いのキーホルダーなんてきっと鬼丸さんだってもってないよね…


飛鳥さんと俺だけ……だよね


end

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