エリア2

□気付いて欲しいから
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「あっ祐介ちょっといい?」


部活帰りいつも通り二人で一緒に帰っていると駆が花屋を指さしながらそういう
ので俺は「いいよ。」と肯定し、駆の後をついていく。


「でも花なんて誰にあげるんだよ?」


「あっえーと母の日近いからさ。兄ちゃんと一緒に買おうってことになってるか
ら下見的な感じで」


「ふーん。」


俺の中で少しもやもやした感情が渦巻く。
このもやもやの原因はなんとなくわかっている。
多分駆から傑さんの名前が出たこと。


別に二人は兄弟なわけで一緒に買うこと事態に変な意味が含まれてるわけじゃな
いとは思うが、二人はこれでもかと言うほど仲がいい兄弟だし、俺的にはあまり
二人で何かしたりとかして欲しくない気持ちがある。


そんな気持ちを駆が知るはずもなく、駆は下見をすませまたいつもの帰り道に戻
る。


別れ道である人通りが少ない十字路に入るとそこには今一番会いたくなかった人
、傑さんがいて駆と俺の方に手を振りながら、近づいてくる。


「二人とも今帰りか?」

「そうだよ。兄ちゃんも?」


「ああ。」


駆が俺以外の奴に俺の目の前ではなしてることにさらにもやもやをつのらせてい
ると駆が俺に対して言葉を発する。


「じゃあ一緒に帰ろうよ!!祐介ありがとうね。」


何かしなきゃそう思い駆を呼び止める。


「駆、ちょっと待って。」


「なにゆうすけ………」

俺は俺の方を向いた駆に見せつけるようにしてキスをする。


「さよならキスまだだっただろ?……じゃあな」

キスをし終えると顔をリンゴのように赤くした駆にそう告げ、家へと帰る。


歪んでいる愛の形かもしれないけど、無防備で無邪気すぎる駆が心配だからこん
なに嫉妬したりするんだから早く気付いてよ…駆……。


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「おまえは近くにいていいな、佐伯みたいな奴が。」


「ななななにいってんの!!兄ちゃん!!あーもう超恥ずかしいじゃんか……」


でも……少し。少し兄ちゃんに俺たちのラブラブ度が自慢できて嬉しかったなん
て思ってる自分が一番恥ずかしいのかもしれない……。


「俺も荒木に会いたいなぁ…」


「へ?荒木?誰それ。」


「んーまぁそのうちね……」


end



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