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□気になるんです・・・。
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「あのさぁ、岩城ちゃんって大人っぽい人のが好きなの?」


ここは僕の車の中。いつものように荒木くんを家まで送っていたのだが、家の前に着いたのにもかかわらずなかなか降りないので「どうした?」と声をかけたら荒木くんがいきなりそんな質問をしてきた。


「いきなりどうしたんですか。」


そう聞くと荒木くんは少し語勢を強め


「いいから!」


とだけいって僕をまじまじと見つめながら質問の返答を待つ。


いきなりこんなことを聞いてくるということは何かあったに違いないし、その理由はなんとなくではあるが自分にはわかっていた。


多分、先日2人で峰くんと話しているところを見られたからであろう。


遠まわしではあったが何度か彼女の事を聞かれたし、すごく気にしていたことが彼の表情からよく伝わってきた。


「そうですね・・・。」


そんなことはわかっていたが、突然「先日僕が二人で話していた女性のこときになるんですか?」なんてきいて彼を拗ねさせたり怒らせたりするのもかわいそうなので、とりあえず答える事にした。


「大人っぽい方は好きですし魅力的だと感じます。僕もいい年ですしね。」


なんて苦笑いを交えながら言うと荒木くんは少し顔をしゅんと悲しい顔にし「そっか」とだけ呟く。


そのことを確認するとさらに僕は言葉を紡ぐ。


「でも・・・」


「?」


「でも、子供っぽい人のほうが個人的には好きです。だからあんまり峰くんの事は気にする必要なんてないですよ。」


そう笑いながらいうと荒木くんは少し顔を赤らめ「知ってたのかよ。」とボソッと呟く。


「知ってましたよ。貴方のやることは大体想像つきます。」


言ったあとに後悔した。荒木くんは今の言葉に顔を歪めた。どうやら怒ってしまったらしい。


謝罪の言葉を口にしようとした瞬間荒木くんがあまりのも予想外の行動に出る。


「じゃあこういうのもわかんのかよ・・・。」


そういうと僕の唇に自分の唇を一瞬ではあるが重ねた。


「岩城ちゃんのばーか。」


そういうと荒木くんは車を出て急ぎ足で家の中へ入っていった。


「してやられましたね。」


僕はそんなことを口にしながら車を自分の家へと向かわせる。


まさか、彼からキスをしてくるなんて。


明日はご褒美をあげなくてはいけませんね。



end

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