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□俺の物だから。
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「ちょっとタカ。どこ行くんだよ。」


飛鳥が俺に腕を掴まれ歩きながらそう言う。俺はその返事を返さなかったけど。


別に怒ってるわけじゃない。そう言いたいが、多分俺は心のどこかで凄く飛鳥に静かな怒りをぶつけようとしている。


もともとこうなったのは数分前にさかのぼる。


久しぶりの休日だったので飛鳥の寮を訪ねてびっくりさせようと飛鳥に内緒で寮を訪ねた時のこと。


当然ながら飛鳥は部活に行っているようで俺は合鍵を使って部屋で待っていた。


俺自体来た時間が遅かったため、30分かからず飛鳥が帰ってきた。


ここまでは良かったのだが、その飛鳥の背後にいた少年が気に入らなかった。そこには同じ葉陰学院の鬼丸春樹がたっていた。


別に一緒に帰ることぐらいは我慢できる。俺だって自分1人で帰ることなんて少ないし、無理に束縛して飛鳥を苦しませたくないし。



しかし、堂々と俺がいるのに入ってきて飛鳥に話しかける鬼丸の姿を見て思わずイラッと来てしまい今に至る。


俺はそのあと飛鳥を連れて部屋を飛び出し、なぜかわからないがどこか二人になれる所へ行きたかった。



「おい、タカ。」


飛鳥にそう言われ、足を止める。


春ではあるがまだ肌寒く、日が落ちるのが早いため辺りはかなり暗い。さらに人通りも少ない。俺はこのことをいいことに背後にいる飛鳥に質問する。


「飛鳥。俺のこと好きか?」


俺がそう言うと飛鳥はビックリしたように目を見開き、


「どうした?急に。」


と質問を返してくる。


「質問に答えろ。好きか?嫌いか?」


俺がさっきより強めに言うと飛鳥は


「好きに決まってるだろ・・・。俺は嫌いな奴に合鍵は渡さない。」


飛鳥はそういうと、俺を背後から抱き締める。お互い急に出てきたこともありうすぎなため、お互いの体の温度がよく伝わる。


「タカ・・・。どうかしたのか?こんなこと聞いて。」


飛鳥は俺に抱きつきながらそう俺に聞く。飛鳥がそういうのも無理はない。だって無理やり連れてきてこんな変な質問されたのだから。


「いや。別に特に何にもない。」


そう言うと飛鳥は「本当か?」と不安げな声を出し心配する。


そんな彼がいとおしくて。可愛くて。優しくて。本人は無意識だろうけど、正直言って理性がもたない。でもそう思ってるのは俺だけじゃない。


多分さっきの鬼丸というやつもそうだろう。飛鳥は無防備すぎる。だったらその前に・・・。


「飛鳥。」


「ん?」


「キスさせろ。」


「は?」


俺はそういうと背後にいた飛鳥を俺の正面にもっていき逃げられないよう阿多を両手でつかみキスをする。


「ちょっ・・・た・・か・・」


必死に抵抗する飛鳥だったがそのうち抵抗しなくなりされるがままの状態となる。


「んぅ・・あっ・・・」


長いキスのためか飛鳥の眼はトロンとなり必死に声を抑えようと俺の服をギュッとつかみ、耐える。


俺は飛鳥が抵抗しないことを確認し、自分の唇を飛鳥の首へともっていく。そして飛鳥の首に小さなキスマークを付ける。


俺が唇を離すと、キスマークに気づかないのか飛鳥の眼はいまだトロンとしたままの状態となっている。


「飛鳥。お前は俺のもんだからな。」


そう言いながら俺は飛鳥の首のキスマークに手をかけると飛鳥は俺が飛鳥にキスマークを付けたことに気付く。


「何やってるんだよ!!馬鹿。」


そう言いながら飛鳥はどんどん顔を赤くしていく。


「大丈夫。あっそれ隠すなよ。」


「やだよ。というかホントにやめてくれこれだけは。どこも大丈夫じゃないし。」


「悪かったとは思ってる。でもお前が悪い。お前だけではないけど。」


「は?何言って・・・」



「とにかくそれは隠すなよ。特に鬼丸っていうやつの前では。」


俺がそう言うと飛鳥は一瞬驚いたものの、そのあとくすくすと笑う。


「何笑ってんだよ。」


「いやお前でもやきもちとか妬くんだなって。」


俺の物だから。


「別に妬いて何か「はいはい。」

end
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