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□ハッピーバレンタイン
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2月14日。
いつもと変わらない普通の日。
でも、恋をしているの人には特別な日であって。
きっとそれは男女関係なくそうなのだろう。
だって男女限らず、あげる側も、もらう側もそれなりにどきどきするだろうから。
たとえば俺がそうなのだ。
あげる相手は親や妹とか家族じゃなくて、ましては女友達でもない。俺があげる相手は男である。
まあ正確に言えば「恋人」という関係なのだが。
「あっ駆。ここだよ。」
「ごめん、祐介。遅れちゃって。」
「平気だよ。で、渡したいものってなに?」
俺の目の前にいるのがその恋人。高校もちがければお互い部活に入っているのでなかなか会う機会がなく、あえてもこんな風に夜遅くにちょっと近くの公園で話すくらい。
それでも、大好きな人と過ごすのはわずかな時間であっても嬉しいものだ。
そして、また今日もお互いわずかな時間を使いこうしてあっている。
でも今日はそんな雑談や世間話をするためにここに来てもらったのではない。
今日この日にチョコを渡すためである。
自分自身で作ったわけではないが、女子であふれているチョココーナーに1人で行き、恋人のために買ったチョコだ。笑顔で受け取って欲しい。
「あっあのねっ・・・えーっときょっ今日バレンタインだね!!」
いえない。言いたいものほどなかなかいえない。かわりに出たのはわかりきっている情報でさらに続くものも自分自身を傷付ける自爆行為のような言葉。
「いくつもらったの?おいしいのあった?」
ああ、馬鹿だな俺。
祐介がもらわないわけないのに。
ずっと近くにいたからわかる。
祐介がめちゃめちゃもてる事は。
なぜわざわざそんなことを聞いてしまったんだろうと、後悔していると祐介から返事が返ってくる。