ぶん
□三台目の赤い車
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「あっ赤い車。これで二台目だ。」
下校途中、鬼丸がそんなことを呟き、俺に質問する。
「あっ飛鳥さん知ってます?一日のうちに赤い車三回見ると、その日は幸せにな
るそうっすよ。」
満面の笑みを浮かべながらそういう鬼丸はすごく無邪気でまるで新しい玩具を買
って貰った子供のようだった。
「そうなのか?でももう今更幸せになっても、あと少ししかないぞ今日。」
俺がそう言うと困ってしまったようで、少し考えたあと答えが出たのか
「それでもいいんです!!」
と半ば強引な、答えを言う。
そのとき三台目の赤い車がとおる。
「あっ!!飛鳥さん見てください!!三台目っす…」
まだ鬼丸の話が全部終わらないうちに鬼丸にキスをする。
「幸せになれたか?鬼丸。」
俺がそう聞くと顔を真っ赤にしながら鬼丸が「はい…」とつぶやく。
三台目の赤い車
「飛鳥さんも結局信じてたんですね」
「別にそう言う訳じゃない」
end