ぶん
□約束のきすとゆびきり
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日本対デンマーク戦
午前三時という学生にはきつい時間帯にも関わらず、この試合で決勝トーナメン
トの進出が決まるため俺は駆の家で試合を観戦していた。
「すごいね、勝っちゃったもん日本。しかも三点もとっちゃったし」
満面の笑みで言う駆。
「ホントだよな。なんか俺サッカーしたくなってきたし。」
俺も駆の言葉に同意する。
お互いの興奮がなかなか冷めない俺たちは、二人でサッカーをする事になった。
今の時間は六時前。こんな時間に公園に来る人、ましてや歩いてる人なんて滅多
にいない。
「にしても、駆サッカーうまくなったよな。」
唐突に言われた言葉にびっくりする反面、人を誉めることが少ない祐介からそん
なことを言われた嬉しさで一杯になった。
「ありがとう、でも祐介だってすごくうまくなったよ。U-16のときまたうまくな
っててびっくりした」
そう俺が言うと少し照れくさそうに「ありがとな」とお礼いう。
「でもお互いがこんな頑張ってうまくなってんだからW杯一緒に出場しような。
」
と笑顔で言う祐介に俺も笑顔で「うん、約束。」といって手の小指を祐介の前に
出す。
「あぁ…約束。」
祐介もそういって自分の指を俺の指に絡め、指切りをする。
指切りを終え指を離そうとしたとき、祐介は何かを思いだしたような声を出し、
俺にいきなりキスをする。
約束のきすとゆびきり
「ななっなにすんだよ!!//」
「いや指切りはしたけど、まだ約束のキスはしてないなぁーと思ってさ。」
「だからっていきなりしなくても…」
「まぁまぁ」
end