ぶん

□未来の日本代表
1ページ/1ページ

「あっそういえばW杯はじまりましたねー」


いつもの帰り道。さっきまでのテストの話をしたくなかったのか、いきなりそん
なことを言う。


「そうだな。」


これ以上勉強のはなしをしても鬼丸の機嫌が悪くなるだけと判断した俺はとりあ
えずはなしにのる。


「でもやっぱり世界ってすごいですよね。中には俺らと年だってそんな変わんな
い人たちが活躍してるんすから。」


「珍しく弱気か?」


こんな風に弱気になったりなんて滅多にない鬼丸のそんな姿を見てすこしちゃか
すように言ってみる。


すると鬼丸は


「いえ!!たしかに世界は広いですけど俺だっていつかサムライブルー着てやりま
すよ!!」


と目をきらきらとさせながら話す。


「そうか・・・それ聞いて安心した。」


「え・・・?」


「俺もおまえと同じだよ。いつか世界の舞台に立ちたいと思ってる。」


鬼丸はそれをきくとニコリと笑い、俺の手を取り話を続ける。


「じゃあ飛鳥さんは先に俺を待っててくださいね!!」


「なに言ってるだ、お前。」


「えっえぇなんか変なこと言いました!?俺!?」


「お前と一緒に同じピッチにたたなきゃ意味ないだろ?」


俺がそういいながら、鬼丸の頭に手を載せるとさっきよりも明るい笑顔で


「すみません、やっぱりそうじゃなきゃですよね!!」


そういいながら俺に抱きつく。


未来の日本代表


「いきなり抱きつくな。しかも帰り道だろ。誰かに見つかったら・・・」


「いや余りに嬉しくて・・・つい。いやでしたか?」


「(そんな子犬のような顔をされたら反撃できん)別に・・・いやでは」


「ですよね。よかった」



「(ったく。俺もとことん鬼丸に弱いな。)」


end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ