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□にゃー
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「鬼丸って犬に似てるよな。」


飛鳥さんが不意にそう呟く。
ここは飛鳥さんの部屋。家に親がいないと言ったら珍しく「じゃあきていいぞ」
と言ってくれたのでお言葉に甘えてお邪魔させてもらっている。今はゲームをや
っていたのだが飛鳥さんが話す為なのか一回ゲームを中断した。


「いきなりっすね…」


基本的には俺から喋らないと喋らないし、飛鳥さんから喋ることなんて滅多にな
い。
だから正直びっくりした。飛鳥さんから話しかけてきたから嬉しかったのだが犬
って…。


「いや、なんかそう思って。」


飛鳥さんはそういいながら俺をまじまじと見つめる。


「なんかいつも尻尾ふってそうだし。えさくれたら誰の所にも行きそうだな。」


そう薄く微笑みながら飛鳥さんが言う。


「ちょっ飛鳥さん。それどういうことっすか!?」


俺がそう言うと飛鳥さんはクスクスと笑いながら


「そう言うこと。」


とだけ答えまたゲームを再開する。俺をからかえて満足したのかさっきよりもニ
コニコしながら、ゲームをやっている。俺も何か言い返してやろうと思い、言葉
を発する。

「でも飛鳥さんも猫に似てますよね。」


「猫?」


「はい!!黒猫みたいな。誰にもなつかなそうですけど」


そう俺が笑いながら言うと飛鳥さんはきょとんとした顔をしながら俺のトンチン
カンな言葉に答える。


「誰にもなつかなかったらお前と二人でいることなんかないだろ?」


「じゃあ俺は別として、誰にもなつかないとか?」


俺がそう言うと吹き出したように笑い「そうかもな。」と言う。


「いっそのことずっと鬼丸のそばでにゃーにゃー言ってるのもわるくないかも。



そう飛鳥さんが俺に微笑みかける。


急にそんな可愛いこと言われたら俺我慢できないっすよ?そんなことをおもいな
がら、俺は飛鳥さんに返事をする。


「じゃあずっとそばにいてくださいよ。にゃーにゃーって。」


俺がそう言うと飛鳥さんはまたゲームを中断し、俺の膝に寝っころがり


「にゃーにゃー。こんな感じか?」


その飛鳥さんがあまりにも可愛すぎて、俺は俺に膝枕されている状態の飛鳥さん
の唇をふさぐようにキスをする。


飛鳥さんは初めはびっくりしたように目を丸く見開いたがすぐに状況を把握した
ように目を瞑る。しばらくその状態が続き息ができず苦しくなったのか飛鳥さん
が俺の胸を叩いたので俺は飛鳥さんの唇から自分の唇をはなす。


「お前、急にキスとかするな。びっくりするから。」


飛鳥さんは顔真っ赤にしながら小さい声で言う。


「すいません。でも可愛かったっすよ?にゃーにゃーって」


「うるさい!!」


飛鳥さんはそういいながらさっきよりもよりいっそう顔を赤くし、さっきまで寝
っころがっていた体を起こした。


「まぁまぁそう言わずまたにゃーっていってくださいよ」


「絶対嫌だ。」


end
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