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□あと5せんち
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「さむぅ・・・」


まぁ12月だしさむいのはあたりまえっちゃあたりまえなんだけど。



「そうだな・・・」



返事を返してくれたのは飛鳥享さん。

自分より1個年上ですごくいい先輩。
そして俺の憧れでもあり、俺の恋人だったりもする。



恋人って言ってもキスしたりとか手をつないだりとかそういうのは全然なくて



ただ一緒にいるでけ。見たいな感じ。
まぁそれだけでも十分しあわせ。




「でも飛鳥さんきっちり防具してるじゃないっすか。手袋もマフラーもあるし。」



俺がうらやましそうに手袋やマフラーを見ると飛鳥さんはちょっと困った顔をしながらいった。



「だって今日は冷えるってニュースでいってたし。それにちゃんと準備してないお前が悪いだろ。」



「それはそうっすけど・・・。」




返す言葉が見当たらない。
こんなんならやっぱりマフラーだけでももってくりゃぁよかった。




「しょうがないなぁ。ほら。」




飛鳥さんはそういうと片方の手袋を俺に差し出した。




「えっ・・・いいんっすか?」




おれは飛鳥さんを貸してくれた手袋を手にはめた。



「あったけ〜。」




「そうか。」




俺がそういうと飛鳥さんはうれしそうに少し笑った。




「でも、飛鳥さんの片方の手さむくなっちゃいましたね。」




となんとなく思ったことを口にする。




「そうだな。」




「なんかすみません。」




俺がそういうと飛鳥さんはくすっと笑った。



「なっ何で笑うんっすか!?」


やばい笑った顔の飛鳥さんきれい・・・。
と俺が別のこと考えていると



「だって鬼丸犬みたいでかわいかったから」




俺より飛鳥さんのがなんぜんばいもかわいいし!
つかまだ笑ってる。
ちょっと仕返ししてやろうかな。




そう思った俺は飛鳥さんの手袋のない片方の手と自分の手を絡ませた。




「仕返しです。」




俺がそういうとさっきまで笑っていた飛鳥さんの顔がどんどん赤に染まっていく。




「なっほんとのこと言っただけだろ・・・//」



語尾が段々小さくなっていく。
やばい。かわいいしえろいし、俺どうしたらいいんだ←



思った以上にかわいくて理性が保てなくなった俺は小声で





「キスしてもいいっすか?」




ときくと飛鳥さんはこくっと小さくうなずく。
俺たちは今まで歩いていた足を止め、お互いに向き合う。




あと5センチくらいになったところで、にゃー!!といきなりでかい猫の声が聞こえた。




それにびっくりした俺たちはお互いの手を離し相手と反対側へ逃げる。




おれはそっと飛鳥さんのほうを見る。
あと・・・あと5センチだったのに!!



そんなことを思いながらさっききた猫を恨めしく思うのであった。








end

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