ぶん
□眠る君に秘密の愛を
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U−15の合宿。
さっきまで騒がしかった、廊下や部屋はすっかり静かになりU−15のメンバーも明日の練習に向けて睡眠をとり始めた頃、俺はなかなか寝れずにいた。
別に、疲れていないわけではない。むしろ疲れているのだが、寝よう寝ようと思えば思うほど、寝れなくなる。
仕方がないので、飲み物でものもうと、部屋を出て自販機へ向かう。
飲み物を買った後、部屋に戻る途中電気のついていない休憩所で動く影を見つけ
る。その影に見覚えがあり
「荒木?」
俺がそう聞くとその影は俺の方を向きながら返事をする。
「す…ぐる…?」
「お前何でこんなところにいるんだよ。寝れねーの?怖い夢見て。」
俺が笑いながらそう言うと図星だったらしく無言で顔を縦に振る。
気まずい。まさかホントだとは思わず、どうしようか悩む。すると荒木の方から
声をかけられる。
「傑…。寝れるまで一緒にいてくんね?落ち着くまででもいいから…。」
そう言いながら、俺の服の端っこを掴む。
本人は本気で怖がっているようだしましてや、好きな相手。断ることなんてでき
ず「いいよ。」と肯定し、荒木の隣に座りしばらくそばにいてやる。
誰かが隣にいることで安心したのか、荒木はあっというまに俺の肩により掛かり
ながら寝てしまう。
いつまでも、このままでは仕方がないので部屋に戻そうと荒木を少し起こそうと顔を覗き込む。
長い睫に整った鼻筋。そして、さらさらとした漆黒の髪。
そのどれにも心を奪われてしまう。そして荒木の唇に触れるだけのキスをする。
眠る君に秘密の愛を
「・・・・ん・・すぐる・・・?」
「っ!!あっとえっと・・・ッこんなところで寝ると風邪引くぞ。(ばッばれてないよな)//」
「あぁ・・・そうだよな。じゃあ部屋かえるから一緒に来て?(なんで顔赤いんだろう?)」
「あっああ。(ばれてないか。よかった。)」
end