エリア2

□確認のキス
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「じゃあいってくるから。飯は俺が帰りに買ってくるから少し待ってて。」


「ああ。あっ飛鳥ちょっと待て。」


そういってタカは俺の頬に軽くキスをする。


「いってきますのちゅー。」


「ちょっと外でるだけだろ。大袈裟だな。」


そういってちょっと手を振り家を出る。


鬼丸の家は自分の家からそんなに遠くなく、歩いて15分程度。


なので、予定の時間より早く鬼丸の家についてしまう。


とりあえず、家の前で待つわけにもいかないのでインターホンを押すと、バタバ
タと足の音をたてながら鬼丸がでてくる。


「こんにちは、飛鳥さん!!」


相変わらず無邪気な奴だなと思いながら、軽い挨拶をすませ家へとはいる。


「悪いな。早く来て。」


「そんなことないっす!!むしろひさしぶりだったんで嬉しかったです!!」


「そうか。じゃあ勉強始めるか。」


「あっはい…」


鬼丸が若干いやな顔をしたがそんなことは気にせず、勉強を開始する。


はじめは数学、次に英語をする予定だったのだがあまりの出来の悪さになかなか
進まず、帰る時間になっても帰ることができずにいた。


「鬼丸って本当に頭悪いんだな。どうして葉陰に入れたのか疑問だ。」


俺がそう言うと、苦笑いをしながら


「スポーツ推薦でしたからね。でもよかったですよ?飛鳥さんに会えたし。葉陰
いけて。」


「そうか。なら、俺も良かったよ。」


そう言いながらまた勉強を再開しようとすると、鬼丸が俺の手を取り真剣な顔を
する。


「飛鳥さん、俺飛鳥さんが好きです。先輩としてじゃなくて、好きなんです。」


嘘ではない。
鬼丸の顔を見てそう思った。
ただ俺にだってタカがいるわけだし鬼丸の気持ちには答えられない。
だから…


「鬼丸、おまえの気持ちは嬉しい。」


「えっ?」


「でも、おまえの気持ちには答えられない…。おれには「もう俺がいるもんな」


そういいながら、誰かが俺の方に手をのせる。


「た……か…?何してんだお前…?」


振り返るとそこにはタカがいた。


「何してんだって、メールしたろ。迎えに行くって。」


そう言われ、携帯を見るとタカからのメールが3件ほどきていた。


「ほんとだ…」


「で、地図おいてあったからそれ見てきたんだよ。そしたらインターホン押して
もでねぇし鍵は開いてるわで。だからこうして入ってきたわけ。」


そういい終えると俺の手を引っ張りながら、「いくぞ」と部屋を出ようとする。
が、それを鬼丸に俺の腕を掴まれる。


「まってください。まだ俺と飛鳥さんの話終わってないっすよ。」


そう睨みながらタカにいうとタカは


「こいつは俺のもんだ。お前になんかやらねぇよ。それにもう授業は終わってん
だ。聞きたいことがあるなら次にしろ。」


そう言い残し、無理矢理俺の手を引き鬼丸の家から出ていく。


そして、お互い何も言わずただ手を引っ張られながら家まで着く。
家にはいると同時に、壁に押しつけられ深い深いキスされる。


「っ!!なっにすんだいきなり。」


そういいながらタカを突き飛ばすが、強い力で抱き締められてるため結果的には
少しからだが離れただけだった。


「確認だよ。お前が俺のものだっていう確認。」


「なんでそんなこと…」


「飛鳥があいつの告白断るときに俺のことだそうとしてくるたことは嬉しかった
。だけど、あいつに告白されることを嬉しいっていうお前が気に食わなかったん
だよ。」


「バカかお前は。」


余りにバカらしくて少し笑ってしまう。だって俺がタカ以外の奴を好きになるな
んてことあり得ないから。


「心配しなくても俺はお前のものだから安心しろよ。」


そう言うとさっきより強い力で抱きしめられる。


「たくっ心配させんなよ。」


「悪かったよ。」


「悪いと思うならキスしてくれよ。飛鳥から。」


「それとこれとは話が別だ。」


確認のキス


それは、俺たちの愛の形だから



end


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