LOOKON

□嘘と虚無で塗り固めた恋
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それにしたって何故私がここまで彼等の事を熟知しているか。そんな疑問を持つ方々も多いのではないだろうか?

確かに何ヶ月も雷門にいれば彼等の情報も入って来る。が、それ以前に私には原作の知識があった。

超次元サッカー?つまり何次元だと何の気無しに見たCMと弟のアニメ好きがきっかけでイナズマイレブンに詳しくなった私。ああ、誤解が生まれないよう念のため言っておこう。私はオタクではない。

まぁそんな事は置いといて。今は目の前の彼等が先決事項だ。

先程まで考えていたのは…あぁそうそう、円堂守だ、円堂守。

イナズマイレブンの真の主人公、円堂守は何処に行ったのか。本来いるべき場所にいない彼。

原作を捩曲げたら私もお前も無事には済まないんじゃないか?天洛藍子さんや。





「おーい、皆!何してんだ?」




そんな事を考えていると突然明るい声が聞こえてきた。ひょこっとドアから顔を出したのはたった今私の思考のど真ん中にいた円堂守本人。噂をすれば影とは正にこの事か。

ああ、それよりも私は何て良いものを見たんだろう。

彼が顔を覗かせた瞬間、天洛藍子の顔が紅潮したような歪んだような不思議な表情になったのを私は見逃さなかった。

円堂守もそれに気がついたのか暫く真顔だったが直ぐにニッと輝かんばかりの笑顔を見せた。



「時間もう無いぞ!早く行こうぜ!ほら、天洛も!」

「う、うん!」

「理科室は藍子は初めてだよな?」

「あ、入るのは初めて、かな。学校案内の時ちらっと見たけど…。なんか怖かったなぁ…。」

「大丈夫だ。皆いるし…何より俺がい「さっさと進め、豪炎寺。通行の邪魔だ。」…鬼道…。一度ならず二度までも…!」

「ほれ、半田達も。帰るぞ!」

「はーいよ。じゃあまたね藍子!次の休み時間も来るからね!」

「うん!待ってる!」




和気あいあい、ガヤガヤと。

花開くかのような円堂守とはまた違う明るい笑みを浮かべる天洛藍子は大勢の取り巻きを引き連れて教室から出て行った。

途端にシン、となる教室。残っていたのは彼等だけだったから当たり前なのだけれど。





…それにしても。







「あの表情…。」






何処かで見た事があるような気がするのだが。

はて、あれは一体どのような気持ちを代弁する表情だったか…。












「欠落してるのは」
「あなた?私?」
 



 
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