BOOK(K)

□margarine
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『大好きなにーにへ(はぁと)
こんにちは、元気にしてますか?遥は相変わらず少し動いたら死ぬんじゃないかなぁっていう、ベッドでの生活を送っています。
ところで、僕なんだか急ににーにに髪の毛触られたくなっちゃったの。ねぇ、お願い、僕の髪の毛触って?にーにの手で優しく掴んで、口に含んで?もう好きにしちゃってよ、大好きなにーに、お願い(はぁと)』

「…またか…しかしここだけしっかりと血を免れているとは、素晴らしい執念だな」
「しかも前回とまったく、一言一句、何もかも違ってませんよ、というかコピーですよこれ。ああ、せめてもの慈悲か何かは知りませんけど、今回は毛髪が2本ひっ付けてありましたけど」

そう言って、助手と主は二人同時にため息をついた。もはや放っておいてもいたしかたない。
それこそ、あの駄犬が、力の限り、額を地につけて助けを請うまでは様子をうかがうこともすまい、と、暖かいお茶をすすりながらひと時の平和をかみしめた。





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