BOOK(K)

□アンビバレンス
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「にーに、さわって?」


ああ!可愛い遥!なんて美しい毛!遥の毛の一本一本が至宝の宝石に筆頭する!触れるのも惜しい、触れることに罪の意識さえ感じてしまうと言うのにその触れたいという感情は抑えることが出来ない、なんて罪な存在!

そしてその毛が!否、遥が!

「にーに…はやくぅ…」


俺を誘っている!!




「はるかぁー、はるかぁああああああ」

「なぁににーに?」

俺の目の前でその純白の毛髪がゆらり、と揺れる。
ああ、触れたい、そのなめらかなひと房を掌に、優しく口に含んで、遥がそこに居ることを実感したい。

「にーに、手ぇ痛い…?」
「くぅ…!こんな痛みなんかっ、遥、遥のためならなんともない!」
「でもあんまり動くといっぱい血がでちゃうよぉ…にーに、僕にーにが痛がるのみたくないな」
「くぅ・・・!!遥っ・・・やめろ、やめてくれ、俺は、俺は遥の為に…!!!」
「にーに…にーに、がんばって、遥、うれしいよ」





「なんてアンビバレンツなんだ…!!」
「なんだそれは、助手」
「簡単に言うと、子供に対して優しく微笑みながらお前なんかいらないとかいうそんな状況ですよ。荻さん」
「そうか。とりあえずまず状況を説明しろ、助手」
「はい。では」
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