意地ワリィ奴

□放課後
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−で。何これ、ドッキリか?

あまりにも爽やかな宮下の前では告られたと言う感覚が無いに等しかった。むしろ冗談なのではないかと俺は宮下の心の裏を勘ぐった。
その俺の考えを察したのか宮下は、

「冗談で押し倒して告ったりしないでしょーが。男に」
「・・・うっ」

俺が怪しんだのが気に食わなかったらしく、宮下の声色は低くなっていた。俺は責められた気まずさゆえ、自分を見つめる真剣な眼差しから目を逸らす。

「ねぇー、松井ぃ。ニャンニャンしよー」
「な・・・に?」

宮下の口に出した言葉の意味が受け取れず、俺は宮下にまた視線を移すことになった。

「セックスしよー。てか、俺がシたいんですが」
「・・・お前、」
「ダメ?」

わずかに首を傾げお願いする仕草は宮下の容姿のせいか、見下ろされてる自分でさえ可愛く見える。が、先程から宮下の背後から沸き立つ雄のオーラには背筋がゾクリとするのを覚えた。

−マジで何言ってやがんだコイツ、気色悪ぃ・・・

「もういーや。ヤっちゃおー」

宮下の目がギラリと光るのを見た気がする。本能的な恐怖に駆られた俺は、せめて宮下の下から這いだしたくて、がむしゃらに抵抗した。
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